犬猫の迷子や災害時のペット難民を救済するマイクロチップ埋め込み基本情報

2019年の6月12日「改正動物愛護法」が参院本会議で可決し成立。ペットショップなどの販売業者に対してマイクロチップの装着を義務化し公布から3年以内に施行となります。

飼い主として知っておきたいマイクロチップの特徴やペットに装着する理由やメリット、対応可能な長崎県下のペット病院について紹介したいと思います。

ペットに埋め込むマイクロチップとは？

マイクロチップは直径2ミリ、長さは8ミリから12ミリのサイズでチップの中には重複のない15桁のシリアル番号（唯一の番号）が保存されていて、このシリアル番号でペット固体を管理します。

マイクロチップを埋め込む場合は、飼い主は自身に連絡が取り次がれるように住所や電話番号を記載し飼い主情報とマイクロチップのシリアル番号をシステム登録して管理を行います。

飼い主と離ればなれになったペットが見つかった場合、マイクロチップの情報を読み取って、システムに照会することで、飼い主が判明する仕組みとなっています。

マイクロチップの特徴

首輪に個体情報を記載していても、首輪は場合によって取れてしまいますが、マイクロチップは体内に埋め込むため紛失する心配がありません。

シリアル番号はデータ書き換えなく、確実な固体証明に繋がります。またサイズが小さいため、殆どの動物に利用可能。

電池不要で30年程度利用が可能と言われています。また専用リーダー（読み取り機）から電波を通じて情報確認を行います。

マイクロチップの利用イメージ

マイクロチップを猫や犬に埋め込む場合は、肩のあたりの装着。装着後は手で触っても分からないそうです。

また埋め込む行為は獣医行為にあたるので、ペット病院などで獣医の先生が専用のインジェクター（チップ注入器）で装着します。

埋め込んだチップは専用リーダーでシリアル番号を読み取り、登録しているデータベースに照会することで、飼い主の情報と紐付けることが可能となります。

ペットにマイクロチップを埋め込む理由

ペットにマイクロチップを埋め込む理由は、トラブル発生時にペットと離ればなれになった場合に、早急に固体情報を認識できるようにするためです。

家を飛び出した、散歩の途中で首輪が取れて走っていったなどで迷子になってしまった場合、災害時に連れていくことが出来なかった、驚いて逃げていってしまった場合、交配目的に血統書付きのペットの盗難にあった場合、事故に巻き込まれてしまった場合などの事象が起きた場合に、ペットの身分を証明するために、マイクロチップ導入を進めています。

アメリカ・オレゴン州の自宅を外出して行方不明になっていた猫が5年後、約2,000km離れたニューメキシコ州の動物保護施設でマイクロチップの情報から飼い主に戻ったニュースも。

奇跡に近いニュースですがマイクロチップで飼い主情報が分からなければ、飼い主のもとに戻ってはいなかったのではないでしょうか。

マイクロチップ導入のメリット

ペットと離ればなれになった場合、各施設に保護されたペットにマイクロチップが埋め込まれていると、リーダーでシリアル番号を読み取り、データベースを照会することで、飼い主情報が判明。飼い主の元に戻る可能性が高くなります。

飼い主はペットにチップを必ず埋め込む必要があるの？

結論から言うと飼い主さんは「必ず埋め込む必要はありません」。法律の改正で義務付けられたのは、販売業者つまりペットショップ等が対象となります。

ただしペットショップより購入した場合は、飼い主の情報を登録する義務が発生します。

すでに飼っている飼い主、生まれた猫や犬を譲り受けた場合、保護猫や野良猫を飼う場合は対象外となり、「努力義務」という扱いです。強制力がある訳でありません。

ただ離ればなれになる恐れを考えると、埋め込む方が安心ではないでしょうか。

マイクロチップ装着時のポイント

専用のインジェクターによって獣医師が体内に注入します。通常は鎮痛剤や麻酔薬は利用せずに注入を行います。

一般的に犬は生後2週間、猫は4週間で装着可能と言われていますが、個体差がありますので動物病院に相談を。

重複しますが獣医医療行為のため、必ず獣医師が施術を行います。

チップのデータを読み取るリーダー配備場所

装着したチップを読み込むリーダーの配備場所は、動物愛護センターや保健所、動物病院や一部の警察署などに配備されることとなっています。

ペットが発見され一次受付として届きそうな場所に配備されるようです。ただし全ての機関に必ず配備ではない点が気になる部分です。

チップ埋め込みの費用は？長崎での対応病院は？

病院によって価格差があるようですが、数千円の費用が多いようです。また施術費用と別でデータ登録費用が1000円ほど必要となります。データ登録時はチップのシリアル番号以外に飼い主の住所や連絡先の情報も必要となります。

長崎県下の動物病院情報

長崎県下の動物病院でチップ対応情報を調べてみました。各病院の公式サイトの対応告知の有無や全国ペット病院情報より調べていますが、対応可否の記載が不明確な病院は「不明」扱いにしています。

かかりつけの病院、または訪問予定の病院で「不明」となっている際は、お手数ですが直接病院にお問い合わせの上ご確認ください。19年11月調べのため、最新情報と違う場合があります。訪問前に問い合わせを行う方法が間違いなく確実です。

※掲載時の情報です。内容は変更になる可能性があります。