サクッサクッ、プッリプリの長崎名物”ハトシ”。お土産として購入される観光客も多いかと思います。

今回はハトシの歴史や名前の由来、作り方などハトシに関する疑問を解決してみたいと思います。記事を書くにあたりハトシの故郷でもある中国の記事も調べてみました。

ハトシの由来は?いつ頃誕生した料理なのか?

長崎名物ハトシの伝来
長崎には清国(1616年-1917年)との貿易交流で伝来されたと言われる”ハトシ”ですが、清国ではどのようにしてハトシが誕生したのでしょうか?

中国の記事によると1960年代の香港を含めた広東エリアでは西洋文化の一つとして西洋料理が輸入され既に食されていたようです。ただ当時の西洋料理は食材や調味料が貴重で非常に高価。

そのため価格を抑えるために、中華料理の食材や調味料を利用し中国風にアレンジした調理方法を開発し広がった料理の中にハトシも含まれていたようです。確かに”ハトシ”は平たく言えば”エビトースト”。西洋料理にも普通にありそうなメニューです。

また”ハトシ”は広東エリアから香港のお隣のポルトガル領だったマカオや台湾にも広がった料理のようです。そのため現在の中国国内には「香港風エビトースト(港式虾多士)」「マカオ風エビトースト(澳门虾多士)」の表記のハトシが残っています。

長崎では日頃から食べられる料理なのか?

実は私の小さい頃(1990年代)の長崎では「わーい!今日の晩ごはんはハトシだー」や「おやつにハトシ準備したわよー」と言う事はなく、ハトシは卓袱料理や観光客向けのホテルで出てくる料理の一つで、
ちょっとだけ高級で敷居が高い料理と言う印象でした。

その後、長崎の食品業界の開発努力の甲斐もあり長崎土産の新定番品の一つとして脚光を浴び県外の認知度がメジャー化した食品と言う印象があります。

ハトシの名前の由来は本当に中国語?

ハトシの読み方の由来は「中国語」と紹介されている場合もありますが、厳密には「中国語」と言うよりも「広東語」が正しいようです。

その理由としてハトシが誕生したのは広東や香港エリアである点、またハトシ(エビトースト)を広東語で「虾多士(簡体字)/蝦吐司(繁体字)」と表記し広東語の発音では「ha do si(ハードーシー)」となります。

ちなみに広東人の友達に広東語で発音してもらった「虾多士」がこちら。

ハトシの発音と似ていますよね?

「中国語(普通語)」で「虾多士」の発音は「xia duo shi(シャー ドォー シー)」となり、発音としてはやはり広東語が音は近いようです。

また広東から台湾やマカオに波及した際に、台湾ではハトシを「蝦吐司」と表現。

「吐司」とは「トースト」の中国語で実は中国大陸では「多士」を使う事は非常に少ないく、一般的に「吐司」と表現。中国語の発音は「蝦吐司/虾吐司(xia tu si)」となります。

長崎名物ハトシの読み方の由来

ハトシの由来や読み方を整理

整理するとハトシは「中国語の読み方」では無く、正確には「広東語の読み方」の「ha do si(ハードーシー)」が由来。

今でも広東や香港では「虾多士/蝦多士(ha do si)」、台湾や中国大陸では「蝦吐司/虾吐司(xia tu si)」の2種類の単語や発音が存在している。

エリアが違うと漢字も読み方も違う、国が広い中国地域ならではの話です。

話は少しズレますが広東や香港でタクシーを英語由来の音訳「的士(di shi)」、中国大陸では「出租车(chu zu che)」と一般的に呼ばれます。これもハトシと同様、同じ意味で単語の漢字が違う一つの例です。

揚げるだけ?サクッと旨いハトシのレシピ

ハトシ、エビトーストと言うだけあり何となく作り方も分かるかも知れませんが、簡単なレシピを紹介したいと思います。

長崎名物ハトシのレシピ

【準備する材料】

むき海老、食パン、卵の白身、塩コショウ、砂糖、油 各適量

むき海老を包丁で叩き、すり鉢やハンドミキサーで細かくすりつぶして、すり身を作ります。

そこに塩コショウ、砂糖、つなぎに卵の白身を入れ粘り気を出します。※チーズや山芋などでコクや食感を加える作り方もありますが、この辺は作り手のアレンジによりレシピが違ってきます。

すり身を食パンで挟んで油で揚げます。揚がったら食べやすい大きさにカットして完成です。※食パンの耳はすり身を挟む前に切りましょう。

また中国で紹介している作り方の中には食パンを両面で挟まず1枚にエビのすり身と白ごまを乗せて卵の黄身を刷毛で塗って油で揚げる、またはトースターで焼く。

食パン片面にすり身を乗せてもう片面はワンタンの皮で挟んで揚げるレシピもありました。

ハトシの記事のまとめ

いかがでしたか?美味しいハトシ、身近になったのではないでしょうか?

ハトシの歴史や単語の意味、簡単レシピについて、ぐっ!と理解して頂けたのではないでしょうか?

ハトシは長崎空港、長崎駅などの売店でハトシは冷凍食品として購入できますし、ランタンフェスティバルなどでは屋台などの売店でも購入できると思います。

ぜひ長崎に訪れた際に、興味を持たれた方はご購入してみてください。

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